syrup16g(シロップじゅうろくグラム)は、日本のスリーピースロックバンド。1996年結成、2008年解散。2014年6月27日に再結成を発表。バンド名の由来はsyrupは、「ぬるいままで好きな音楽を好きなだけやろうっていう、そういう意味を込めて…」と五十嵐が命名。16gは、バンド名を検討していたミスタードーナツにおけるコーヒーシロップの量が16gだったことから。メンバーは五十嵐隆(いがらし たかし Vo./Gt.)、キタダマキ(Ba.)、中畑大樹(なかはた だいき Dr.)。
wikipediaより引用
Syrup16gがカバーしているアーティスト
曲名 | アーティスト名 | 原曲収録CD | カバー曲収録CD |
EVIL | ART-SCHOOL | ![]() |
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EVIL / ART-SCHOOL のカバー
Syrup16gをカバーしているアーティスト
曲名 | アーティスト名 | 原曲収録CD | カバー曲収録CD |
不眠症 | ABYSS,寝坊主,~離 | ![]() |
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Reborn | BANK BAND | ![]() |
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明日を落としても | Lyu:Lyu | ![]() |
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Reborn / 藤巻亮太(レミオロメン) によるカバー
Syrup16g カバーの私評
syrup16gがART-SCHOOLの「EVIL」を選んだことは、誰もが納得せざるを得ない“必然”であったと言える。両バンドは同じ時代に並走しながら、鬱屈や焦燥、そして生きづらさを音楽へと昇華してきた。その重なりが、今回のトリビュートで奇跡のような形となって結実している。
五十嵐隆の声は年齢を重ねた分、張りや透明感には往年の面影と差異がある。しかしそのザラつきややさぐれた響きこそが、このカバーを圧倒的にリアルにしている。歌い出しの「気にすんな」で既にシロップの世界に引きずり込まれるし、原曲を知る者にとっても「これは五十嵐の歌だ」と思わせる説得力がある。
アレンジは鋭くジャキジャキとした質感を前面に押し出し、シロップ本来のロックバンドとしての側面を強調する仕上がりだ。イントロのリフやオブリに宿る疾走感は、2000年代のシロップ作品を思い起こさせるほどで、リスナーから「coup d’Etatに収録されていても違和感がない」との声が出るのも頷ける。
もっとも、声のコンディションやメロディのニュアンスに違和感を覚えるリスナーもいたことは事実だ。それでも、多くの人にとってこのカバーは「生き延びてきたご褒美」のように響いている。ART-SCHOOLとsyrup16g、20年以上にわたってリスナーの孤独を支えた二つの存在が、今こうして交差する。その事実そのものが胸を打つのだ。
今後もシロップが他の楽曲をカバーする機会があるのかは分からない。しかし、現時点で唯一のこの「EVIL」には、両バンドの歴史とファンの人生を凝縮した特別な重みがある。批判を含めて多様な受け止め方があるからこそ、このトリビュートの価値はより一層際立っているといえるだろう。